この記事で解決したいことどこで待ち、何を確認し、いつ帰宅を始めてよいか分からない
結論: 大規模地震で交通が止まったら、揺れの後の安全を確保し、駅や自宅へむやみに移動せず、安全な勤務先・学校・施設で待機します。待機できる場所がない時は、自治体等が開設を案内した一時滞在施設を確認します。家族の安否、周辺被害、交通・経路・混雑を公式情報で確かめ、原則72時間の一斉帰宅抑制と現地の指示を踏まえ、帰宅可能な条件がそろってから時間・経路を分散して出発します。
大規模地震で電車やバスが止まった時は、家族が心配でも、すぐ駅や自宅へ向かいません。揺れの後の安全を確保し、安全な勤務先・学校・施設で移動を止めるのが最初です。
家族の安否、今いる地域と帰宅経路の被害、交通、混雑を公式情報で確認します。帰宅可能な条件がそろっても、一斉に出ず、時間・経路・手段を分散します。建物や周囲が危険なら、その場に留まるのではなく、施設管理者・自治体等の誘導で別の安全な場所へ移ってください。
帰宅困難者になったら安全確保後に移動を止める
地震の揺れの最中と直後の身の守り方は、場所別の地震初動で確認できます。その後に交通停止を知っても、駅へ向かったり、長距離の徒歩帰宅を始めたりしません。
内閣府の2026年1月改定ガイドラインは、「むやみに移動を開始しない」を一斉帰宅抑制の基本原則としています。大勢が徒歩・車で一斉に動くと、緊急車両や救命・救助、消火活動を妨げるだけでなく、群集事故等の二次災害へ巻き込まれるおそれがあるためです。
駅と自宅へ向かう前に五つを止める
発災直後は、次の行動をいったん止めます。
- 運転再開の見込みを聞くためだけに駅へ行く
- 家族の迎えのため、長距離を歩き始める
- 家族へ何度も電話をかけ続ける
- 開設確認前の一時滞在施設を探し回る
- 車で迎えを頼む、または自分で運転して帰る
「何もしない」のではありません。安全な場所に留まり、安否・被害・交通・待機先を順に確認する時間へ切り替えます。
安全な勤務先・学校・施設で待機する
勤務先、学校、利用中の施設が安全で、管理者から待機の案内があるなら、その場所に留まります。施設の安全確認、周辺火災、避難指示等を無視して残るという意味ではありません。
- 建物の損傷、火災、落下物、ガラス等から離れる
- 施設管理者の安全点検・館内放送・誘導を確認する
- 周辺の火災、津波、土砂、浸水等の情報を確認する
- 安全なら指定された場所で待機する
- 安全でなければ、案内に従って別の安全な場所へ移る
勤務先等が安全でない時、または買い物・観光・移動中で待機場所がない時は、自治体等が開設する一時滞在施設が候補になります。
一時滞在施設は開設情報を確認してから向かう
一時滞在施設は、勤務先や学校などに待機できない帰宅困難者を一時的に受け入れる施設です。一方、一時待機場所は、一時滞在施設が開くまで待つ広場・公園等を指します。
どちらも「平時に地図へ載っているから必ず使える」とは限りません。たとえば東京都の一時滞在施設案内は、事前公表施設でも被害により受入れできない場合があるため、発災時は開設情報が発信されてから行動するよう案内しています。
地域ごとに仕組みが違います。今いる安全な場所を離れて施設を巡らず、自治体、駅周辺の案内、施設管理者等の公式情報を確認します。
安否と被害を確認し連絡の集中を避ける
待機場所が決まったら、自分の安否と居場所を短く残します。
そな/けがなし/○○ビルで待機/今日は帰宅しない/次回確認18時
家族全員が何度も電話すると、通信がつながりにくくなり、端末の電池も減ります。家族で決めた順番に沿い、災害用伝言サービス、メッセージ、勤務先・学校の安否確認等を使い分けます。171の録音・再生手順は平時に一度練習してください。
確認するのは家族・現在地・経路・交通・待機先
帰宅の判断材料を五つに分けます。
| 確認対象 | 見る内容 | 主な確認先 |
|---|---|---|
| 家族 | 安否、居場所、迎え・介護の担当 | 家族の合意、伝言サービス、施設連絡 |
| 現在地 | 建物、火災、津波、避難指示、混雑 | 施設管理者、自治体、消防・警察等 |
| 帰宅経路 | 通行止め、落下・倒壊、火災、橋 | 自治体、道路管理者、警察等 |
| 公共交通 | 全区間の運転、乗換、入場規制 | 各交通事業者の公式情報 |
| 待機先 | 継続可否、閉設・移動案内 | 勤務先・学校・施設管理者、自治体 |
SNSや家族から届いた画面は入口にし、発信元と時刻を確かめます。公式情報へ到達する経路は防災アプリの選び方で準備できます。
72時間は固定期限でなく一斉帰宅抑制の原則として読む
内閣府ガイドラインは、原則72時間(3日間)は安全な場所に待機し、応急活動が落ち着くと考えられる発災後おおむね4日目以降を目途に、順次帰宅する想定を示しています。
これは「72時間を過ぎるまで絶対に帰宅禁止」「4日目なら必ず帰れる」という時計ではありません。ガイドラインも、災害規模や被害によって3日以内に帰宅支援へ移れる場合も、4日目以降も応急活動が続く場合もあるとしています。
3日待てば自動的に帰れるわけではない
帰宅可能かは、時間だけでなく次の条件で確認します。
- 発災直後の混乱が収まり、移動が応急活動を妨げない
- 群集事故等の二次災害を生む混雑がない
- 通行できる経路、または目的地までの公共交通が確保された
- 施設・地域から帰宅開始や分散の案内がある
- 自分の体調、天候、日没、必要な休憩場所を確認できた
迎えや介護が必要な家族がいても、全員が同時に移動すると危険が増えます。平時に、迎えの担当を一人にする、施設の引渡し規則を確認する、帰宅しない場合の代替者を決める等を話し合います。
帰宅開始は経路・交通・混雑の三条件で決める
帰宅できそうになっても、直ちに全員で出発しません。内閣府は、時間・移動範囲・移動手段をずらす「分散帰宅」を基本としています。
まず三条件をそろえます。
- 経路: 通行止め、火災、落下・倒壊、橋、斜面等を避けた経路がある
- 交通: 鉄道なら目的駅までの全区間と乗換が動いている
- 混雑: 駅・道路・橋等へ人が集中せず、入場規制を含め移動できる
一つでも確認できなければ、待機を続け、次の更新を待ちます。
鉄道再開の一報だけで駅へ向かわない
運転再開直後は、区間・本数が限られ、平常時より輸送力が低いことがあります。接続路線が止まっていれば、乗換駅で動けなくなるかもしれません。
- 目的駅まで全区間が再開したか
- 乗換駅と駅周辺に滞留がないか
- 入場規制・分散乗車の案内がないか
- 待機先から駅まで安全に移動できるか
交通事業者と施設の案内を確認し、混雑が続くなら駅へ近づきません。
出発後も危険・混雑・体調で待機へ戻る
徒歩帰宅を始めても、「出発したから帰り切る」と決めません。余震、火災、落下物、道路損傷、橋の混雑、天候、気温、日没で経路の安全は変わります。
- 危険箇所や強い混雑が見えたら近づかない
- 迂回で所要時間が大きく延びるなら立ち止まって再確認する
- 暗くなる、暑さ・寒さが厳しい、体調が悪い時は無理をしない
- 家族に車での迎えを頼まない
- 自治体等が案内する帰宅支援道路・支援施設を確認する
帰宅支援ステーションは徒歩帰宅開始後の支援
災害時帰宅支援ステーションは、徒歩帰宅者へ水道水、トイレ、沿道情報、休憩場所等を可能な範囲で提供する施設です。内閣府ガイドラインでは、主に72時間以降、待機していた人が移動を始める時期の支援として整理されています。
発災直後に泊まる一時滞在施設とは役割が違います。ステッカーを見たから常に開いている、必ず全サービスを受けられるとは決めつけず、自治体等の開設・運営情報を確認します。
平時に帰らない選択と確認先を決める
帰宅困難対策は、徒歩ルートを一つ覚えるだけでは足りません。家族が「すぐ帰ってくるはず」と待ち続けない合意を作ります。
- 大規模地震時は、まず安全な場所に留まる
- 家族へ残す安否メッセージの型と確認時刻
- 迎え・介護・学校引渡しの主担当と代替者
- 勤務先・学校・施設の待機ルール
- 自治体の一時滞在施設・開設情報の確認先
- 帰宅経路の複数候補と避ける橋・斜面・密集地域
家族の決定は家族防災会議の一枚表へ残し、平時の地図確認は災害別ハザードマップで行います。
今日行うのは、長距離を歩く訓練ではありません。勤務先・よく行く場所の自治体サイトで、一時滞在施設の探し方と発災時の開設情報ページを一つ保存することです。
よくある質問
地震で電車が止まったら、すぐ駅へ行けばよいですか?
大規模地震の直後は駅へ殺到せず、安全な勤務先・学校・施設に留まるのが基本です。駅や周辺の混雑、落下物、火災等に巻き込まれるおそれがあります。施設管理者、自治体、交通事業者の公式案内を確認してください。
帰宅困難者は必ず3日間帰ってはいけませんか?
原則72時間の一斉帰宅抑制は、人命救助と二次災害防止のための基本的な想定です。一律に4日目まで帰宅禁止という意味でも、4日目なら必ず帰れるという意味でもありません。混乱の収拾、通行可能な経路・交通手段、地域・施設の指示を確認して判断します。
一時滞在施設は事前に調べた場所へ直接行けば入れますか?
事前公表されていても、被害や運用状況により開設・受入れできない場合があります。今いる安全な場所を離れて探し回らず、自治体や施設等が発信する開設情報と誘導を確認してから移動してください。
電車が一部再開したら帰宅を始めてよいですか?
一部区間の再開だけでは判断できません。目的駅までの全区間、乗換駅、入場規制、駅周辺の混雑を確認し、円滑に移動できる段階を待ちます。再開直後は輸送力が低い場合があるため、施設や交通事業者の分散帰宅案内を優先してください。





