この記事で解決したいこと給水再開後すぐに家中の水を使ってよいか、白い水や赤い濁り、臭いが出た時にどう分けて確認するか分からない
結論: 住所と建物の給水再開案内を確認したら、まず給湯器・浄水器等の器具が付いていない蛇口を選び、顔を近づけず少しずつ開けます。透明な容器で水がきれいになったこと、異常な臭いがないことを確認してから、トイレ、給湯器、浄水器、洗濯機等を取扱説明書と管理側の案内に従って一つずつ再開します。濁りや臭いが続く時は飲用・調理や機器使用を止め、水道事業者または建物管理者へ連絡してください。
断水の復旧情報が出ても、家中の蛇口や機器を一斉に動かすのは待ちます。通水直後は管内の空気が噴き出したり、赤く濁った水や、空気を含んで白く見える水が出たりすることがあるためです。
使い始めの順番は、給水再開を確認する→器具のない蛇口で水を見る→異常がなければ機器を一つずつ戻すです。水が出ること、飲用できること、給湯器等を再開できること、排水できることを一つの「復旧」にまとめません。
給水再開の一報だけで家中の水を使い始めない
最初に、契約中の水道事業者が自宅住所を給水再開の対象としているか確認します。「市内で通水開始」「断水戸数が減少」という全体情報だけで、自宅の水が飲用できる状態まで戻ったとは限りません。
確認する項目は次の五つです。
- 対象地域・町名・建物
- 情報の発表元と更新日時
- 断水解消、試験通水、飲用制限解除のどの段階か
- にごり水・水圧・使用時間等の注意が残っていないか
- 最初に開ける蛇口や流し方の地域指定がないか
飲用制限が続いている場合は、水が透明に見えても飲用・調理へ使いません。給水車や備蓄水の案内を継続して確認します。断水中に必要な水の分け方は生活用水の備え、家庭の飲料水量は水の備蓄量へ分け、本記事では復旧後の初回確認だけを扱います。
住所・給水方式・建物管理の案内を分けて確認する
集合住宅では、道路下の配水管が復旧しても、受水槽、増圧ポンプ、建物内配管、バルブ等の状態で住戸の給水が戻らないことがあります。水道事業者の地域情報に加え、管理組合、管理会社、所有者等から次の案内が出ていないか確認します。
- 受水槽・ポンプ・建物内配管の点検状況
- 住戸で水を使い始めてよい時点
- 最初に使う蛇口や階・時間の指定
- 給湯・排水・トイレの使用制限
- 異常時の建物内連絡先
自宅だけ水が出ない、同じ建物でも階や住戸で状態が違う時は、道路側の復旧が遅れていると決めつけず、給水方式と建物設備を確認します。マンション防災では給水・排水・エレベーター等の建物運用をまとめて扱っています。
最初は器具の付いていない蛇口をゆっくり開ける
東京都水道局の水道メーター取替後の注意は、空気を含んだ白っぽい水やにごり水が出る場合があるため、トイレ、湯沸かし器、浄水器等が付いていない蛇口で、水がきれいになったことを確認してから使うよう案内しています。これはメーター取替後の案内ですが、断水後の初回通水でも「まず水そのものを確認し、器具へ先に入れない」という考え方に使えます。
地域・建物から別の指定がなければ、次の順で確認します。
- 給湯器、浄水器、整水器等を通らない水側の蛇口を選ぶ
- 蛇口の先へ顔を近づけず、周囲に人がいないことを確認する
- 水はねに備え、少しずつ開ける
- 透明な容器へ水を取り、色、濁り、異物、臭いを見る
- 水道事業者が示す方法で、きれいになったことを確認する
「屋外の蛇口」「一番低い蛇口」等を全国一律の正解にはしません。住宅の配管、凍結防止設備、建物管理、災害の状況で指定が変わるため、水道事業者と建物管理者の案内を優先してください。
トイレ・給湯器・浄水器へ先に通さない
東京都水道局の断水後の回答は、復旧して最初にトイレを使うと故障の原因となる可能性があり、水がきれいになってからの使用が望ましいとしています。また、大阪市水道局の断水・にごりの注意は、断水・にごり中にお湯を使うと、貯湯タンクの減水やにごり水の流入によって機器が故障するおそれがあると案内しています。
最初の確認に、次の設備を使わないようにします。
- 水洗トイレ
- 給湯器を通るお湯側の蛇口
- 浄水器・整水器付きの吐水口
- 洗濯機・食器洗い機
- 製氷機・加湿器等へ自動給水する機器
「水が出るか確かめるため」と機器を一斉運転せず、まず器具のない蛇口で水道水の状態を確かめます。
透明な容器で空気・白濁・赤い濁り・臭いを確認する
通水後の見た目を、すべて同じ「濁り」として扱いません。透明なコップや容器に取り、次のように分けます。
| 見え方・状態 | 確認すること | 次の行動 |
|---|---|---|
| 水と一緒に空気が噴き出す | 管内の空気が抜ける途中か | 顔を近づけず、水道事業者の案内どおり確認を続ける |
| 白く見え、置くと下から透明になる | 細かな気泡で白く見えているか | 全体が透明になることを確認する |
| 赤・茶色、粒や濁りがある | 工事・流れの変化等による鉄さび等の可能性 | 飲用・調理・機器使用を止め、器具のない蛇口で公式手順に従う |
| 置いても白さが消えない | 空気以外の原因がないか | 使用を止め、水道事業者・管理者へ連絡する |
| 油・薬品・下水等を思わせる異臭、普段と違う味 | 水質の異常がないか | 飲まず、沸騰で自己解決せず連絡する |
東京都水道局の濁り水案内では、透明な容器の水が白く見えても、空気が混ざった現象なら問題はなく、赤い濁りは透明になるまで流すよう案内しています。一方、白さが残る、異臭・異物がある、公式の飲用制限が続く時は、見た目だけで安全と決めません。
白い水は容器の下から透明になるかを見る
白く見える水が細かな気泡によるものなら、透明な容器へくんで置くと、気泡が抜けて下の方から透明になっていきます。牛乳のような白さが残る、沈殿物がある、臭いがある場合は、単なる空気と決めつけません。
赤い水や原因不明の濁りを「沸かせば飲める」とは判断しません。沸騰で鉄さび、化学物質、異物、地域の飲用制限が解決するとは限らないため、水道事業者が飲用可能と案内し、水の異常がなくなるまでは備蓄水・応急給水等を使います。
きれいにならない・異臭がある時は使用を止めて連絡する
次のどれかがあれば、飲用・調理と機器の再開を止めます。
- 水道事業者が飲用を控えるよう案内している
- 案内どおり確認しても赤い・茶色い・白い濁りが続く
- 油、薬品、下水等を思わせる普段と違う臭いがある
- 異物、沈殿、強い泡立ち、普段と違う味がある
- 水圧が急に変わる、水が止まらない、漏水音がする
- 同じ建物や近隣でも異常が出ている
連絡時は、住所、発生時刻、水側か湯側か、すべての蛇口か一つだけか、色・臭い、近隣や共用部の状況、公式案内の更新時刻を伝えます。写真を撮れる場合も、危険な場所へ近づいたり、味見を繰り返したりしません。
戸建て・直結給水と貯水槽方式で確認先を分ける
水道事業者は道路側の配水状況を確認できますが、受水槽や建物内設備は建物側の管理範囲となる場合があります。東京都水道局は、直結給水方式なら担当部署、貯水槽水道方式ならまず管理人等へ連絡するよう案内しています。
- 戸建て・直結給水:契約中の水道事業者、必要に応じて指定給水装置工事事業者
- 受水槽・増圧給水の集合住宅:管理組合・管理会社・所有者等、必要に応じて水道事業者
- 蛇口・給湯器等の一機器だけ:建物管理者、機器メーカー、取扱説明書の窓口
災害時は通常窓口と緊急窓口が異なることがあります。検索結果に出た広告や無関係な修理業者へ急いで連絡せず、検針票、自治体・水道事業者の公式サイト、管理規約等から正規の連絡先を確認します。
水がきれいになってから機器を一つずつ再開する
最初の蛇口で水がきれいになり、水道事業者・建物管理者の使用制限が解除されてから、機器を一つずつ戻します。同時に動かすと、異常が出た時に原因を分けにくくなります。
- 機器の取扱説明書で断水・復旧後の手順を確認する
- 給水元の水がきれいで、異臭がないことを確認する
- バルブ・フィルター・エア抜き等を自己流で操作しない
- 一台ずつ再開し、漏れ、異音、エラー表示を確認する
- 異常があれば停止し、メーカー・管理者へ連絡する
給湯器・浄水器・洗濯機は取扱説明書とメーカー案内を優先する
給湯器、電気温水器、浄水器、洗濯機等は、給水方式と機種で再開手順が異なります。本記事では、止水栓の開閉順、フィルターの洗浄、エア抜き、試運転等を一律に指示しません。
電気・ガス・機器本体・配管に損傷が疑われる時は、水がきれいでも動かしません。災害後のガス臭、漏電、浸水、転倒、配管外れ等は、水道の確認とは別の危険として、事業者・消防・管理者等の案内に従います。
上水道の再開と排水可否は別に確認する
蛇口からきれいな水が出ても、下水道や建物内排水管を安全に使えるとは限りません。特に地震後の集合住宅では、排水管の損傷が別住戸への漏水につながる場合があります。
水道事業者の「給水再開」と、自治体・建物管理者の「排水可能」を別の欄で確認します。排水制限中は、トイレ、風呂、洗濯機、食器洗い機等を再開せず、建物の案内に従ってください。
集合住宅は管理側の給水・排水案内を分けて読む
集合住宅では、次のように二本の確認線を持ちます。
| 確認線 | 主な確認内容 | 主な確認先 |
|---|---|---|
| 給水 | 受水槽、ポンプ、水質、住戸への通水、機器再開 | 水道事業者、管理組合・管理会社等 |
| 排水 | 排水管損傷、汚水の逆流、トイレ・風呂・洗濯の使用 | 自治体、管理組合・管理会社等 |
在宅避難中も「水が戻ったから通常生活へ戻る」と一度で切り替えず、建物、トイレ、室温、電源、備蓄等を在宅避難の備えと照らして更新します。
今日、最初に開ける蛇口と連絡先を決める
平時に、給湯器・浄水器等を通らない水側の蛇口を一つ探します。その近くに次の四項目をメモしておくと、復旧の一報で家中を一斉に動かさずに済みます。
- 最初に水を見る蛇口
- 契約中の水道事業者の公式ページ・連絡先
- 建物管理者の災害時連絡先
- 給湯器・浄水器等の取扱説明書の場所
今日行うのは、蛇口を試しに長く流すことではありません。どの蛇口で確認するかを決め、公式の連絡先を保存するところまでです。
よくある質問
断水が復旧したら最初にどの蛇口を開けますか?
水道事業者と建物管理者の給水再開案内を確認し、給湯器、浄水器、トイレ等の器具が付いていない蛇口から始めます。復旧時は空気を含んだ水が勢いよく出る場合があるため、顔を近づけず少しずつ開け、水がきれいになったことを確認してください。最初の蛇口や操作の指定がある時は地域・建物の案内を優先します。
断水復旧後に白い水が出ても使えますか?
透明な容器にくみ、細かな気泡で白く見える水が容器の下から透明になるなら、水道水に空気が混ざった現象と考えられます。しばらく置いても透明にならない、異物・異臭・味の異常がある、地域で飲用制限が続いている場合は使わず、水道事業者または建物管理者へ連絡してください。
赤い水や濁り水は沸かせば飲めますか?
沸騰を、給水再開や飲用可能の公式確認の代わりにしません。赤い水や濁り水が出たら飲用・調理と機器使用を止め、水道事業者の案内どおり器具のない蛇口で確認します。きれいにならない、臭いがある、飲用制限中の場合は水道事業者や建物管理者へ相談してください。
水が出たらすぐ給湯器や浄水器を使えますか?
先に器具のない蛇口で水がきれいになったことを確認します。濁り水が給湯器、浄水器、貯湯タンク等へ入ると目詰まりや故障につながるおそれがあります。再開方法は機種で異なるため、取扱説明書、メーカー、水道事業者、建物管理者の現行案内に従ってください。
蛇口から水が出ればマンションのトイレも流せますか?
上水道が使えることと、建物内や地域の排水管が安全に使えることは別です。地震等の後は、自治体と建物管理者から排水可否の案内が出るまで水洗トイレを使わない場合があります。水がきれいかという確認に加え、自宅の管理側の給水・排水案内を分けて確認してください。




