この記事で解決したいこと背の高い家具が気になるが、突っ張り棒・金具・マットのどれを使うかから考えて止まっている
結論: 家具固定は器具を先に買わず、生活空間の家具を減らし、寝る場所と出口を塞がない配置に変え、壁・天井・家具の強度を確認してから方式を選びます。ねじ固定ができない場合は、条件を満たす複数方式の併用を検討します。
地震に備える家具固定は、器具選びから始めません。最初に生活空間の家具を減らし、寝る場所と出口を塞がない配置に変えます。そのうえで壁・天井・家具の強度を確認し、条件に合う固定方法を選びます。
固定器具は、正しい固定先と取付方法があって初めて働きます。壁の下地や天井の強度が分からない、重い家具を動かせない、配線・配管の位置を確認できない場合は、推測して作業せず、所有者・管理会社・施工事業者等へ確認してください。
家具固定は「配置→固定先→器具」の順で決める
東京消防庁の家庭向け手順は、器具を取り付ける前に、生活空間の家具を減らし、レイアウトを見直す流れを示しています。固定方法を探す前に、次の三段階に分けます。
| 順番 | 確認すること | 確認後の行動 |
|---|---|---|
| 1. 配置 | 家具が倒れる向きに寝る場所、座る場所、扉、出口がないか | 家具を減らす、場所や向きを変える |
| 2. 固定先 | 壁の下地、天井、床、家具本体に器具を取り付けられる強度があるか | 図面・取扱説明書・管理側・専門事業者で確認する |
| 3. 器具 | ねじ固定の可否、家具の形、床との隙間、器具の使用条件 | 条件に合う方式を選び、必要なら複数方式を組み合わせる |
固定は転倒・落下・移動の危険を減らす対策であり、どの地震でも被害を防ぐ保証ではありません。避難経路、ガラス、収納物も同時に見直します。
寝る場所と出口を家具の倒れる向きから外す
優先するのは、長く過ごす場所と外へ出る経路です。寝室、居間、子ども部屋から確認します。
ベッドと座る場所を先に見る
家具の高さだけでなく、正面・側面のどちらへ倒れた時に人へ届くかを見ます。ベッドや布団、いつも座る椅子の方向へ背の高い家具が倒れるなら、次の順で変えます。
- 生活空間から家具を減らし、納戸や据え付け収納へ移せるか考える
- ベッドや椅子を家具の倒れる範囲から外す
- 家具を置く必要がある場合は、背の低い家具への変更や向きの調整を検討する
- 配置を変えた後に固定方法を決める
重い家具を一人で動かさないでください。転倒、床の損傷、腰や手のけがが心配な場合は、移動や施工を事業者へ相談します。
扉が開く幅と出口までの線を確保する
家具が倒れたり移動したりすると、玄関や部屋の扉が開かなくなることがあります。扉の前だけでなく、寝る場所から玄関までの通路を一続きで見ます。
- 家具の正面・側面が扉や通路を横切らないか
- 引き出しや扉が開いて通行を妨げないか
- 上に置いた箱や家電が出口側へ落ちないか
- 固定後も家具と壁の間に危険な隙間ができないか
部屋全体の点検は家・持ち出し・備蓄を分けた防災チェックリストへつなげると、家具以外の抜けも確認できます。
壁・天井・家具の強度を確かめて固定方法を選ぶ
ねじで留める場合は、見えている壁紙や石こうボードだけを固定先と考えません。壁内の強度がある下地、家具側の構造、器具の指定位置を確認します。
ねじ固定は下地と家具側の両方が前提
東京消防庁の2024年版ハンドブックは、L型金具等のねじ固定、ポール式、ストッパー式などについて、取付条件を分けて案内しています。東京消防庁は家庭向けページで、正しく取り付けられる場合のねじ固定を効果の高い方式として示しています。
ただし、「壁ならどこでも」「長いねじならよい」という意味ではありません。
- 壁内の下地位置と強度を確認できるか
- 壁の中に配線・配管等がないか確認できるか
- 家具側の天板や背面に、器具を取り付けられる構造があるか
- 器具とねじが壁・家具・重量の条件に合っているか
- 賃貸・分譲の契約や管理規約で確認が必要か
一つでも分からなければ、見た目だけで施工場所を決めません。家具・器具のメーカー、所有者・管理側、施工事業者へ確認します。
集合住宅は専有部と管理側の確認を分ける
壁の構造、共用部分との境界、穴あけ可否は建物ごとに違います。マンション防災で住戸と建物運用を分ける方法も確認し、管理規約や防災マニュアルに照らして判断してください。
穴を開けられない場合は一つの器具で済ませない
ねじ固定ができない場合でも、器具を一つ置けば終わりとは限りません。東京消防庁は、穴を開けない方式の例として、ストッパー式または粘着マット式とポール式を組み合わせる方法を案内しています。これは同庁の実験条件に基づく案内であり、異なる家具・床・天井でも同じ効果を保証するものではありません。
ポール式は天井の強度と位置を確認する
ポール式器具は、家具の上ならどこでも突っ張ればよいわけではありません。天井と家具天板に強度があり、説明書で指定された位置・向き・範囲へ取り付けられることが前提です。
| 確認できないこと | 先にすること |
|---|---|
| 天井が器具の力に耐えられるか | 図面、管理側、施工事業者等へ確認する |
| 家具天板の強度や適切な位置 | 家具・器具の取扱説明書とメーカー案内を確認する |
| 床にストッパーやマットを使えるか | 床材、家具の形、器具の使用条件を確認する |
| 賃貸でどこまで施工できるか | 契約書に加えて所有者・管理会社等へ確認する |
固定できない条件が残る間も、配置変更で寝る場所と出口を守る対策は進められます。自宅に安全にとどまれるかという別の判断は、在宅避難の条件と必要品で切り分けてください。
扉・ガラス・収納物まで分けて対策する
家具本体を固定しても、扉が開き、食器や本が飛び出せばけがや避難の妨げになります。次の四つを別々に点検します。
- 家具本体: 転倒・移動を減らす固定
- 扉・引き出し: 揺れで開くことを減らす対策
- ガラス: 破損時の飛散を減らす対策
- 収納物: 重い物を低く置き、落下や飛び出しを減らす配置
収納物を詰め直す時は、重い物を上段へ移さず、扉開放防止器具や飛散防止フィルムが対象の材質・形状に使えるか製品表示を確認します。テレビ、冷蔵庫、食器棚は形状や取扱上の条件が異なるため、家具全般の手順だけで施工方法を決めません。
今日の点検は背の高い家具を一つだけ
家じゅうを一度に終わらせる必要はありません。寝室か居間で、背の高い家具を一つ選びます。
- 倒れる向きに人・扉・出口があるかを見る
- 配置や向きを変えられるか考える
- 壁・天井・家具の固定先を確認する
- 分からない条件と確認先を書き出す
- 器具を選ぶのは、その後にする
最後に、取付日、使用した器具、確認した説明書、次の点検時期を残します。模様替え、引っ越し、器具の緩み・劣化、家具の収納量が変わった時も再点検します。
よくある質問
家具の突っ張り棒だけで地震対策になりますか?
突っ張り棒だけで一律に十分とはいえません。家具と天井に十分な強度があり、正しい位置へ取り付けることが前提です。東京消防庁は、ねじ固定できない場合の例として、ポール式とストッパー式または粘着マット式の併用を案内しています。家具・天井・器具の説明を確認してください。
賃貸住宅で壁に穴を開けられない場合はどうしますか?
まず家具を減らし、寝る場所や出口から外す配置を優先します。穴を開けない器具は、家具・床・天井の条件を確認して組み合わせます。穴あけや共用部分に関わる作業は、契約書だけで決めず、所有者・管理会社等へ確認してください。
家具を固定した後も点検は必要ですか?
必要です。器具の緩みや劣化、家具の移動、収納量、部屋の使い方が変わった時に見直します。点検方法と交換時期は、使用している器具と家具の取扱説明書を優先してください。




